このページでは、高圧や特別高圧の契約電力について解説しています。
契約電力は、電力会社と最初に契約を結ぶ際のほか、電気の使用量に応じて適宜決められる数値です。
毎月支払いする基本料金にも関係していますので、電気代を安くしたいと考えている方は、正しく理解することが大切です。
契約電力とは
契約電力とは、高圧電力や特別高圧で使われる用語です。
低圧電力におけるアンペア数と同じ意味合いで、各需要家が「最大でどのくらい電気を使うか」を把握し電力会社としては、それに対する準備をしなければなりません。
電気を使える用意をすることに対する準備金のようなもので、基本料金の額に関わっています。
契約電力が少なければ基本料金は安くなり、多ければそれに比例して基本料金が高くなります。
可能な限り契約電力を少なくした方が、基本料金を安く抑えることができるのです。
契約電力の決定方法
契約電力の決定方法は事業者により異なりますが、多くは同じ方法を採用しています。
ここでは、東京電力を含む大手電力会社の決定方法を紹介します。すべての企業に当てはまるとは限らないことにご注意ください。
契約電力500kW以上
契約電力が500kW以上になる大口の需要家に対しては、電力会社との協議で決定されます。
一般的には、使用する負荷設備や受電設備の内容、同一業種の負荷率が基準とされます。
各社が必ずしも同じ結論(契約電力数)になるとは限りませんので、低く抑える余地があるかもしれません。⇒中部電力ミライズの例
契約電力500kW未満(実量料金制)
契約電力が500kW未満の場合には、「実際に使用した最大需要電力」により契約電力が決定されるのが一般的です。
この制度を実量料金制といいます。
30分毎の平均使用電力を算出して、そのうち月間で最も大きい値を最大需要電力といいます。
つまり「どれだけ電気を使用しているか」ではなく、「どれだけの容量の電気設備が設置されているか」が判断基準になっていたのです。
近年では、電力消費を抑える技術が発達したことなどが影響し、制度の見直しが行われました。その結果、公平性の高い実量料金制度が導入されるようになりました。
新電力事業者の契約電力
新電力事業者と契約する場合の契約電力に関しても、一般的には上記と同じ決定方法が採用されます。
高圧電力や特別高圧の見積もりには、過去の電力利用明細が必要になりますが、それは契約電力を決める材料としての意味合いがあるのです。
新しい設備を導入する際
新しい設備を設置し、現在よりも電気の使用量が大幅に増える見込みのお客様は、事前に契約中の電力会社へ相談しましょう。
どの程度使用量が増えるかによりますが、契約電力を見直す必要があるかもしれません。
何の相談もなく突然電気の使用量が増加すると、ブレーカーが落ちるように電気が使えなくなってしまう可能性がありますのでご注意ください。
契約電力を減らすには
契約電力を減らして基本料金を安くするには、どうしたら良いでしょうか。
契約電力に関わる「最大需要電力」は、基本的に「同時に使う設備」が多いほど大きくなります。
また現在では、最大需要電力を予測する装置(デマンドコントロ-ル装置)が販売されています。
デマンドコントロール装置には、設定値を警報で知らせるものや、設定値に近づくと自動で設備を停止する機能が付いたものがあります。
契約する電力会社を見直す
契約する電力会社を変更することも有効な方法でしょう。
高圧電力や特別高圧の小売事業は、どちらも自由化されていますので、需要家は自由に電力会社を選ぶことができます。
電力会社を変更して契約電力を減らすことができるかどうかはケースによりますが、多くの場合には従量単価を削減するなど、なにかしらの方法で電気代を安くする提案が可能です。
※契約電力は、単純に「低く設定すれば良い」というものではありませんので、単価を下げる提案の方が一般的です。
高圧電力の見積もりは、当社で承っています。電気代削減を検討している法人様は、お気軽にご相談ください。